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『神経治療をしたのに歯が痛いのはなぜ??』
こんにちは、神保町ウィルデンタルオフィスです。
今回は神経治療をした歯が痛くなる根尖性歯周炎という病気についてお話ししたいと思います。
【根尖性歯周炎とは?】
根尖性歯周炎とは歯の内部にある神経が感染を起こし、細菌が根の先に炎症を起こす病気です。原因は多くは虫歯によるものですが、歯に亀裂が入り細菌が入り込み起こることや、歯をぶつけるなど外傷があり感染してしまうこともあります。
また以前に神経治療を一度終えていても、根の中に残った細菌が再度炎症を引き起こしたり、その後の被せ物があまり合っておらず再感染してしまい、症状を引き起こすことがあります。
根の先で炎症を起こすと咬むと強い痛みが生じたり、強い炎症の場合、何もしなくても激痛になることがあります。歯茎にフィステルと呼ばれる膿の出口ができることもあります。その場合、膿の排出路が確保できているため強い痛みは出ないケースが多いです。
【根尖性歯周炎の治療とは】
根尖性歯周炎の治療は、根の中に残っている感染物質を綺麗に取り除く治療になります。ですが、根の中は完全には見えないことも多く、大きく曲がっていることもよくあります。以前は硬いステンレスのファイルと洗浄液のみでかき出すしかありませんでしたが、現在はニッケルチタンという根の方向により沿った超弾性のファイルと洗浄液で汚れを取り除くのが主流になりつつあります。昔に比べて治療方法も進化していますが、根管はとても細く、奥歯の場合3本以上の根管があって入り組んでいるため歯科治療の中でも難易度が高く術者の知識や技術による影響を受けやすい治療になります。
【根尖性歯周炎は治るの?】
根尖性歯周炎は非常に治すのが難しい病気です。一度感染してしまった歯の根管治療の成功率は60%ほどと言われています。
根気強い治療が必要になりますが、よりいい結果を得られるためにはいくつかポイントがあります。
⚪ラバーダムや歯科用CTの設備がある歯科医院で治療を受ける
しっかりした根管治療にはラバーダムというゴムのシートが必須です。これを使用しないとお口の中の細菌がの根の中に侵入し、再発するリスクが非常に高くなるためです。歯科用CTも通常のレントゲンよりも根の状態を知るのに役立つので、感染根管治療の際はあらかじめ撮影してから根管治療に望むことをお勧めします。
⚪根管治療中はあまり間隔を空けすぎない
根管治療中は多くの場合、治療後にその歯に仮の蓋をします。仮の蓋はある程度強度はあるものの、治療期間が空くとお口の中の細菌が根の中に入り込んだりするリスクが高くなるため、数週間に一度は根っこの治療を受けるか、長期間空いてしまうときはしっかりした仮歯を入れてもらうことをお勧めします。
⚪場合によってはマイクロスコープを使用したり、根管治療専門の医院での治療も検討する
通常の根の治療で症状などが改善しないときは、マイクロスコープという顕微鏡を使ってくれる医院を検討したり、根管治療専門の歯科医院も存在します。根管治療はそれだけ難しい治療でなかなか治らないケースも多くあるということです。主治医とよく相談して、どうするか決めましょう。
⚪最終的な被せ物を精度が高いものにする
いくらいい根管治療を受けても、最終的な被せ物の精度が悪ければ再発のリスクは高くなります。そのため最後に入れる被せ物の精度はとても重要です。自費のセラミックやジルコニアなどは費用が掛かりますが、精度も高く劣化しづらい材質のためオススメします。
【まとめ】
今回は根尖性歯周炎についてお話ししました。
お話ししたように、一度神経治療をしても再発により痛みが生じることがあるので、必ず歯科医院で定期検診を受け、レントゲンのチェックも一年に一回くらいは撮ってもらうことをお勧めします。皆さんがご自身の歯で生涯おいしく食事をとれるように歯科医院での定期検診を行いましょう!