こんにちは、神保町ウィルデンタルオフィス院長の若松です。
今回は安心・安全なインプラント治療を行うために重要な点についてお話ししていきたいと思います。
抜歯後の予測とインプラント術前CT
インプラントは虫歯や歯周病などで保存が難しくなった歯を抜いた後に人工の歯根(チタン製)を埋め込み、咬み合わせの機能を回復する治療になります。歯は歯槽骨と呼ばれる骨に支えられているのですが、基本的に歯を抜くとその周囲の歯槽骨は周りの骨と比べて下がったり、薄くなったりします。インプラントは骨の中に埋め込む必要があります。そのためあらかじめ抜歯後の骨の吸収の予測をしておくことが重要です。三次元的な歯科用CTを撮影することで、骨の状態を事細かに診断できるため術前や抜歯前にCTを撮影することをオススメします。
インプラントガイドの使用
術前CTからインプラントガイドというものを作製し、インプラントの手術に臨むことでより安全なインプラント治療を行うことが可能です。3Ⅾ画像からまずインプラント部位の最終的な被せ物がどのような形態になるかを想定し、それを元にインプラントを打ち込む位置、方向、深さなどを決定、それを反映したマウスピースのような装置を作製します。マウスピースのインプラントを打ち込む予定の部分に穴が開いており、その穴をもとにインプラントのドリルを挿入し、インプラント手術を行うことで術中のズレなどがほとんどなくなり、安全な手術が可能になります。
清潔管理
インプラント手術を行うにあたって清潔管理はとても重要です。術者、介助者はオペ用のグローブをしたら汚れたところは触ってはいけませんし、グローブに加えて帽子、オペ用ガウンも着用してオペに臨みます。器具は全て最高水準の滅菌器を使用して滅菌されたものを使用します。万が一感染を起こしてしまうと痛みが出るだけでなく、インプラントが定着せず再手術になったり、最悪手術自体が難しくなることもあるため細心の注意をはらって清潔管理を行います。
メインテナンス
インプラントは天然の歯に比べ、歯周病になり易いということを聞いたことはありますか?インプラントはチタン合金という安定した金属でできているため、虫歯によって溶かされることはありません。ですが天然の歯と同じように歯周病にはなります。むしろ歯茎との付着が弱かったり、天然の歯にはある歯根膜という歯と骨の間の強靭な膜も存在しないため歯周病になりやすいと言われています。そのため天然の歯以上に歯科でのメインテナンスが重要です。歯周病により下がってしまった骨は戻ることはないので、定期的に衛生士さんにインプラント周囲の状態をチェックしてもらって歯周病が進行する前に対策しましょう。
まとめ
インプラントは歯を失った場合の治療法として、周囲の歯を削ることなく咬み心地もよいとてもいい治療法だと思います。ですが歯周病のリスクからメインテナンスがより重要になります。インプラント治療を行うにあたって、しっかりした設備が整っている医院か、清潔管理がなされているか、歯科医師の技術は十分か、メインテナンスを親身になっておこなってくれるか等よく精査して治療にあたるようにしましょう。そして欠かさず定期検診とクリーニングを行ってもらって、一生使えるインプラントを目指しましょう。